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 長野県総合教育センターは、北アルプスを一望できる塩尻市片丘の地にあります。片丘の豊かな自然の一端を紹介します。

 

第9話 金星の密雲を見つめる

−所報第16号より−

 
 今、夕方の西の空に一番星が輝いています。「宵の明星」として親しまれている金星です。今年の春、金星は太陽の向こう側にいて、丸い小さな金星として見られました。その後、地球を追いかけるようにぐんぐん近づいて来ました。
 今年の8月頃から太陽の東側の少し離れた所に、青空の中でぽつんと白く輝く金星を肉眼でも見ることができるようになりました。それは、一等星の200倍以上の明るさです。その満ち欠けする様子は小望遠鏡でも確かめられます。そしてこれから、金星が地球を追い越そうとするとき、金星までの距離は、一番遠かった頃の約6分の1になり、見かけの直径は6倍にもなります。


昼間 輝く金星 9.20 15:51
15cm屈折赤道儀望遠鏡にて

【バックナンバー】

第8話 春の訪れを告げるヤマアカガエル
第7話 ツマグロヒョウモンがやってきた
第6話 ヒルガオの変わりもの
第5話 タンポポは語る
第4話 センターの隣人・あるムシの話
第3話 水辺づくりとメダカ復活作戦
第2話 カタオカザクラ
第1話 足下に咲く貴重な植物


 見かけの形は三日月状からさらに細くなります。その細い光は、金星を覆う高温の密雲によって半円以上に伸びて、美しい姿を私たちに見せてくれます。それは、「宵の明星」として輝いていた金星が、「明けの明星」として、その輝きの舞台を夜明け前に移していく際の出 来事です。
 金星の密雲が織りなす光の美を、あなたも眺めてみませんか。

(専門主事 徳原嗣久)