長野県総合教育センターは、北アルプスを一望できる塩尻市片丘の地にあります。片丘の豊かな自然の一端を紹介します。


第3話 水辺づくりとメダカ復活作戦

−所報第10号より−

かつてはどこにでも見られた身近な生き物が、次々と姿を消していく今日、塩尻市でも、すでに野生のメダカを見ることはできません(塩尻市誌)。
そこで研修棟2階の屋外に、プランターなどを使って池や水田をつくり、メダカコーナーを設けました(右の写真)
4月中旬に水田の土を入れ、親メダカを放しました。メダカは、自然に発生してくるミジンコなどを食べて大きくなり、産卵を始めます。水草に産みつけられた卵を、親に食べられないように別の池に移しておくと、稚魚が泳ぎ出しました。
日に日に増えていくメダカを楽しみに見ていると、ある日、数が急に減少していくことに気がつきました。原因がわからず悩んでいるとき、水中をスーっと泳ぐ1cm足らずの生き物を発見したのです。それは、赤とんぼのヤゴでした。土の中にあった卵がふ化し、メダカを餌にしていたのです。
土を入れ替えて飼育を再開しました。メダカは順調に育って、大分大きくなりましたが、秋口になって再び数が減少し始めました。しばらくして、冬越しの準備のために箱を調べて驚きました。土の中から小指ほどの大きさのヤゴがぞろぞろと出てきたのです。センターの周辺にすんでいるクロスジギンヤンマが、いつの間にか産卵していたのです。メダカの飼育自体は比較的容易ですが、自然の中で増やしていくことは、なかなか大変なことだと教えられました。


(専門主事 橋渡勝也 1999.11)




【バックナンバー】

第2話 カタオカザクラ
第1話 足下に咲く貴重な植物