片丘の自然 (長野県総合教育センター周辺の自然)

第18話 雨の日に種をまくフデリンドウ

春に咲くリンドウ



 総合教育センターは、地図で見ていただくと分かるように、森林地帯と田畑地帯の境界にあり、多様な動植物に出会うことができます。

 上の写真は、センター周辺で5月に撮影した「フデリンドウ」です。明るい林や森林の周辺部、野原に生えています。写真では大きく見えますが、開いた花の直径が1cm程度の小さな植物です。名前は、つぼみが筆先に非常に似ているところからつけられたそうです。(右下写真参照)

 リンドウといえば、秋に花をつける植物ですが、このフデリンドウは春に花をつけます。

 春に花をつけるのは、自分よりも背の高い植物が葉をつけて日光をさえぎる前に、たっぷりと日光を受け種子を作ろうとしているのではないかと、考えられます。

 夏は、背の高い植物に負けてしまうので、2年かかって花をつけます。

 このような性質は、広葉樹林の下で春先の日光をたくさん受けて栄養を蓄え、何年もかかって花を咲かせるカタクリと似ています。

フデリンドウの種子の散布方法

姿形は違えど共通点が多いフデリンドウとカタクリですが、種子の散布方法は、ちょっと違います。

 カタクリの種子には、アリが好む物質が付着しているので、カタクリの種子は、アリに運ばれて広がっていくそうです。

 一方、フデリンドウでは、種子を包む果実が、雨にぬれたときにだけ2つに裂けて大きく開き、果実の中にある種子が雨の日にだけ散布されるのだそうです。種子は、雨にたたき出され、流されて広がっていくようになっているわけです。

 種子の散布方法はかなり違うけれど、自然の力を上手に利用している点は、フデリンドウもカタクリも同じですね。

 ちなみに、どちらの話も「・・・・だそうです。」と記述したように、自分の目で確かめたものではありません。ぜひ、自分の目でじっくりと観察してみたいと思うこの頃です。

<参考文献> 大人の科学.net 〜 種の話 〜  

(専門主事 中澤美三 2007.10)

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