長野県総合教育センターは、北アルプスを一望できる塩尻市片丘の地にあります。
片丘の豊かな自然の一端を紹介します。
第13話 煙が上にあがらない!? 〜逆転層の話〜

センターは,塩尻市片丘の高台に位置するので,北アルプス(飛騨山脈)の眺めがすばらしい場所です。上の写真は,4月初旬のセンターからみた北アルプスの写真です。
北アルプスのふもとの松本盆地に目を向けると,2本の煙が上がっているのが分かるでしょうか。この煙は,まっすぐ上っているのですが,途中で消えてしまっているのがわかりますか。どうしてでしょうか。

上の画像は,別の日に,煙が上がっている場所を拡大撮影したものです。煙がまっすぐ上らずに横に広がっていっている様子がよくわかります。このようになるのは,大気中に逆転層ができているためです。
<逆転層とは>
大気は,一般に上空にいくにつれて気温が下がっていきます。しかし,時々上空の気温の方が高くなることがあります。このような現象を気温の逆転といい,この逆転が起こっている大気の層を,逆転層といいます。煙を含むような空気は,温められているので周りの冷たい空気より軽く,上空へ上昇していきます。ところが,逆転層があると上空の方が温かいために,煙を含む空気は上昇することができず,横に広がるようになるのです。
このような現象は,晩秋から春先で風のないよく晴れた日の朝方に,盆地のようなところでよく起こります。これは,放射冷却現象によって地面が冷えるために,地上近くの空気が冷やされ,風がないために盆地の中にその空気がたまるからです。上の北アルプスの写真でも,煙がまっすぐ上っていることから,ほとんど無風状態であったことが分かります。
今度,センターに来所されたときには,美しい北アルプスの眺めとともに,盆地にも目を向けてみて下さい。見えない大気の状態が,このようにわかることがあります。
(専門主事 中澤美三 2007.4)
